中学校の教員として勤務していた頃、私は「学びが将来とどうつながるのか」を常に意識しながら授業づくりをしていました。技能を身につけることも大切ですが、その先にある社会との接点を示すことが、子どもたちの学習意欲を高めると感じていたからです。
その一つの取り組みとして、授業内で資格試験の紹介を行っていました。たとえば、Microsoft が主催する「Microsoft Office Specialist(MOS)」や、国家試験である「ITパスポート試験(情報処理推進機構)」 です。(プログラミング教育ですと、「プログラミング能力検定」があります。)
MOSは、WordやExcelなどの活用スキルを客観的に証明できる資格で、「普段の授業で学んでいる内容が、実は世界共通の基準につながっている」という話をすると、生徒たちは驚いた表情を見せていました。また、ITパスポート試験については、「ITの基礎知識は、将来どんな仕事に就くとしても役立つ」という観点から紹介しました。技術の時間で扱う情報分野が、社会の仕組みやビジネスとも深く関わっていることを伝えたかったのです。
もちろん、中学生に資格取得を強く勧めることが目的ではありません。大切なのは、「学んでいることが社会とつながっている」と実感してもらうことでした。資格という具体的な目標を示すことで、学習内容が“テストのため”ではなく“未来の自分のため”に変わる瞬間があると感じていました。
実際に、「将来IT系の仕事に興味がある」「高校で情報をもっと学びたい」と話してくれる生徒もいてくれました。その言葉を聞いたとき、授業の中で社会との接点を示す意義を改めて実感しました。
今振り返ると、資格の紹介は単なる情報提供ではなく、子どもたちの視野を広げる小さなきっかけづくりだったのだと思います。これからの時代、ICTスキルは特別なものではなく基礎的な教養の一つです。だからこそ、学校教育の中で「その先」を見せることの大切さは必要だと感じます。現在は、学校現場を離れましたが、プログラミング教育を通して、「その先を」これからも伝えていきたいと考えています。



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